檀家になっているお寺の改装費用の寄付が50万

私の親族は皆、同じお寺の檀家になっており、情報は筒抜けです。

 

ある日、親戚から驚きの電話が来ました。
なんと、お寺の改装費用として檀家一件につき50万の寄付を請求されたそうです。

その親戚は思わず「50万!!」と言ってしまったそうですが、それも無理はないです。
我が家はまだ言われていなかったので、その親戚はある程度大きい会社経営だから見かけ取りされているのでは、という憶測が広がりました。

 

親戚も我が家もお盆やお彼岸は自宅にお参りに来てもらうのが習慣で、例年通りお彼岸に自宅に来てもらった時の事です。

覚悟はしていたものの、やっぱり言われました、50万。

貧乏な我が家にも50万と言われたので、見かけ取りでないことは判明しました。

 

キッパリお断りしたいところですが、「ちょっと、ちょっとね。50万」と言葉を濁す父。
お坊さんは「ではまた連絡お待ちしてます。いつでもいいですので」と去られました。

 

父はすぐに親戚に電話し、「うちも言われたわ、50万なんてよく言うな」と、失礼ながら悪口の嵐です。
親戚は50万なんて軽く支払える金額ですが、お寺改装の寄付としては是が非でも払いたくないそうで、どうやってお断りするかの議論が始まりました。

 

しかし昔気質の父は、檀家である以上、断って檀家を続けるのは無理だという方向に変わってきました。
その旨を親戚に伝えると、皆さん同調し、そうなるとついに檀家をやめるという案も出始めたのです。

 

高齢の親戚ばかりですので、檀家をやめるというのは一斉一代の大勝負。

それでも検討せざるを得ない状況でした。

 

そして檀家をやめる前に、次の檀家探しがスタートです。インターネットなど使えない高齢の親戚は、人伝しか方法がありません。(インターネットで調べたら50万円は高額でした。)

 

次のお寺の条件は寄付金請求がない事です。

 

すると、ある親戚から、今の我が家と同じ宗派で違うお寺の檀家になっているという情報が入りました。

もちろん寄付金がない事は確認済みです。

 

詳しく話を聞くと、少々遠いがお参りには来てくれる範囲でした。

そのお寺の話は瞬く間に親戚中に広がり、早速方向転換です。

皆、そのお寺を気に入り、これまた失礼ながら、他のお寺の檀家である身でありながら、次のお寺さんと話を進めました。

 

お寺さんに寄付金50万の話をすると、大変驚かれ、「坊主としてしてはならない事です。

寄付金は気持ちが大切。

そこまでされるという事は、相当お困りなのかもしれませんが、檀家さんに急に50万も請求とは」と言葉を詰まらせていらっしゃいました。

 

次のお寺さんと話を済ませ、親戚中に報告です。

皆、賛同し、親戚中が檀家をやめて別のお寺の檀家になることを決めました。

 

ついに今のお寺に、檀家をやめることを報告する時が来ました。

本来ならお邪魔してお礼を言ったりするのが常識ですが、親戚中が年老いていますので、失礼ながら電話での報告です。

 

檀家側は50万の請求に驚きましたが、今度はお寺側がこちらの判断に驚きでした。

まさか檀家をやめるとまでは思っていなかったようです。

 

「あぁ、そうですか」と相槌しながらも50万の請求は撤回されなかったので、やはり50万の寄付金は絶対条件だったのだと思います。

 

次のお寺さんとお話させてもらった事も話して、親戚一同、今までお世話になったお寺さんとサヨナラしました。

 

お墓に入っている祖父母は心地良くないと思いますが、申し訳ないけど今は生きている人間が優先になってしまいます。

生前の性格からして、祖父は私達に賛同してくれそうですが、祖母は是が非でも50万払えと言いそうです。

そこは故人であって良かったなと、親戚で話していました。

 

檀家をやめるという、昔では考えられない判断が英断となりました。